BLIND HILL・5/24(木)〜28(月)

BLIND HILL

NATSUKO MIYASHITA

2018年5月24日(木)〜28日(月)

11:00〜20:00

BLINDHILL

本展示について

この度は自身の絵画制作と平行して、2017 年に訪れたアイスランド一周の旅で
撮影した未発表の写真作品を展示します。

最近目にした本に、“らせんの美しさを競うとき、アンモナイトの右にでるものはない。
それは優雅ならせんに沿って放射状に配置される連続した節の造形の繊密さによる。”
という事が書かれていた*1
古生代の海洋に繁栄していた自然界の生物が形づくるそれは、殻を化石として残した事で
4億年経った今も私達の目に触れ、長い年月の記憶と完璧なオブジェクトを伝えているようだ。

“BLIND HILL”とはアイスランドの代表的な道路標識のひとつで
〈対向車の見えにくい丘・道〉の警告を意味し、車に減速を促すものである。
突然天候が変わり濃霧や激しい雨が襲うアイスランドでは
対向車どころか数メートル先も見えづらい事が多く、
この標識自体ちゃんと確認できたのは数回程度だった。
天候が荒れる度、荒涼なむき出しの大地に圧倒され、気を抜くと死の恐怖が
身体を覆い、全身は常に硬直していた。
嵐が過ぎて、厚い雲から光が差し込むと、視界は開け、彩度は高まり、巨大なパースペクティブが出現する。

そこには長い年月を経て生まれ、流され、削られ、溶けて、
固まり、死ぬ、を繰り返しできあがった大地の完璧な輪郭があった。

およそ2500km、たった10日あまりの道中で、繰り返される安堵と恐怖の合間に
記録されていた景色を少しばかりセレクトしました。

*1: 福岡伸一『芸術と科学のあいだ』木楽舎 2015

宮下夏子

アーティストプロフィール

1985 東京生まれ
2008 東京造形大学デザイン学部写真専攻卒

個展
2018 「角膜と前菜」 新宿眼科画廊/東京
2014 「うしろ向きにほどける」 新宿眼科画廊/東京
2008 「風景写真、物音、練習曲」 新宿眼科画廊/東京

主なグループ展
2017 「いりや画廊若手支援プロジェクト vol.7 バリュープライス」 いりや画廊/東京
2016 「ShareArtAward2016 入選作品展」 赤レンガ倉庫 1 号館 1F スポット B,C /神奈川
2016 「いりや画廊若手支援プロジェクト Vol.5 ”Polite”」展 いりや画廊/東京
2014 「何も考えないまま 10 年経ってた・・・」展 新宿眼科画廊/東京
2012 「アートの湧き出るまちー ART PRANNING IN YUSUI 2012 ー」 JR 栗野駅舎/鹿児島

賞歴
2016 「ShareArtAward2016」審査員特別賞
2004 「GEISAI-6」Gallery ROCKET 賞

Painter, Artist, モチーフに写真を引用し、絵画表現へ移行することで現れる線や
図像から、記憶の残像を集積したり、曖昧な事柄の再現を試みる。

HP: http://miyashitanatsuko.com
twitter: https://twitter.com/Natsucosmo
instagram: https://www.instagram.com/natsucosmo/
FB: https://www.facebook.com/natsuko.miyashita.5

2018-05-04 | Posted in 過去の展示Comments Closed